
生物環境利用推進センター Biotron Application Center
生物環境調節センター(1966年設置)の改編により,2011年4月1日,新たに生物環境利用推進センターが設置されました.当センターは、九州大学の教員その他の者の研究又は教育の用に供し、あわせて新たな生物環境を用いた産業創生に係る展開及び橋渡し研究を支援することを目的とする,学内共同教育研究施設です.

1.施設紹介
生物環境利用推進センターは,生物学的基礎研究の成果を実用化に結びつけるための展開・橋渡し研究の立案や実施を支援・遂行すること,および生物環境調節実験室を共同利用に提供することを使命とする学内共同教育研究施設です.当センター内に生物環境を人工的に制御する環境制御施設を備えており,さらに生体計測機器,化学分析機器,画像解析装置,コンピュータを駆使して,制御環境下における生物の反応の解析,生物生産における環境制御技術の確立,これを用いた生物生産環境の最適化を専門領域としています.当センターでは,専任教員4名と,生物学系各分野からの複担・協力教員の参画により,上述の展開・橋渡し研究をコーディネート・実施し,併せて生物環境調節実験室の共同利用を運営しています.
2.生物学的基礎研究成果の展開・橋渡し研究
生物学的基礎研究の成果を実用化に結びつけるための展開・橋渡し研究としては,新たな機能性物質が見出された作物における作型の確立と生産環境の最適化,植物機能の改変による環境耐性作物の作出や新規農業生産物の提案,遺伝子組換え植物による有用物質の実用生産技術の開発などを掲げています.
近年,分子生物学,システム生物学などの進展とモデル生物を用いた詳細な解析により,遺伝子及びその産物の機能と相互作用の解明,さらにそれらの制御に関わる環境要因の機作が次々に明らかにされています.これらの成果による遺伝子操作技術や分子育種の技術的発達は,農作物の短期間での遺伝的改変を可能としました.これらの技術を利用して,高付加価値食糧と機能性物質の高収益安定生産を担う産業を創生することは,学術のみならず産業・一般社会の中でも強く求められています.だが,基礎的研究においてモデル生物で得られた学術的知見に基づいて,実用レベルの作物・品種を制御環境下の工程で効率的に生産するための技術体系を構築するためには,それらの間を繋ぐ展開・橋渡し研究が必須です.
九州大学では,理学研究院,薬学研究院,農学研究院等で分子レベルでの基礎研究が盛んに行われ,現在まで大きな成果が蓄積されています.たとえば,農学研究院においては従来の農業に繋がる古典的な橋渡し研究がなされてきましたが,産業利用に必要とされる競争力という観点から,より迅速かつ効率的な対応により遅滞無く実用化に結びつけるための体制が求められるようになりました.そこで,新たな生物資源を用いた産業創生に係る展開・橋渡し研究を支援することを目的として当センターが設置されました.
ここでは,「短期間で農作物の遺伝的改変を行う技術を利用して,高付加価値食料と機能性物質の高収益・安定生産を担う産業を創生する」とも目標を定め,本学の理学研究院,薬学研究院,農学研究院および関連学共施設等における植物に関する基礎的知見に基づいて,実用作物・品種を用いた人工制御環境下での効率的生産を可能にする技術体系を構築するために,それらの間を繋ぐ展開・橋渡し研究を支援し,その大きな進展を図ります.この事業のために,当センターが有する各種の生物環境調節実験室を活用することとしています.



2.植物工場などの先進的食糧生産システム
当センターが有するグロースチャンバは温度,水分状態,光,風,ガス組成など,植物をとりまく物理的要因を人工的に制御します.これを用いて植物の環境応答の解析や生物生産環境の最適化について研究を行います.この成果から,高度化園芸施設や植物工場で実用生産するための基盤技術を確立することができます.現在,植物工場を用いた高付加価値作物の生産に関する基盤技術の研究開発について,企業・法人等の依頼,あるいは相談を受け,これについての共同研究,技術指導,意見交換を行っています.また,これに関連した公的事業の外部評価等に参画しています.さらに,センター教員は九州大学大学院生物資源環境科学府の大学院教育(修士および博士課程)に携わっており,(社会人を含む)大学院生は植物工場の基盤技術についての学術研究を遂行することを通じて,必要な情報を学び,技術を習得することができます
3.生物環境調節実験室(施設・装置等)の学内共同利用
1)施設の概要

高精度環境調節実験棟
(1)人工照明グロースキャビネット実験室
本館
(2)事務室・動物環境調節実験室・昆虫環境調節実験室
(3)その他の施設
(4)特殊環境調節実験室(ファイトトロン)
(5)植物環境調節実験室(ファイトトロン)
建造物配置図
2)各施設の詳細
(1)植物環境調節実験室(ファイトトロン)
環境条件(各実験室床面積 13 m2 /実験用架台: 50 cm×50 cm×160 cm )
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実験室 |
気温(℃) |
相対湿度(%RH) |
備考 |
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A1 |
30±2 |
70±10 |
|
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A2 |
25±2 |
70±10 |
|
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A3 |
20±2 |
70±10 |
|
|
C1 |
6-18時/18-6時 昼夜切換 前期:30±2/25±2 後期:25±2/20±2 |
70±10 |
開放系植物病原性微生物接種の許可 |
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C2 |
前期 20〜約40 |
70±10 |
外気温追従型 |
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D |
15−30±5 |
70±10 |
P1レベル封じ込め対応 |
配置図

(2)特殊環境調節実験室(ファイトトロン)
環境条件(各実験室床面積 12.6 m2 /実験用架台: 50 cm×50 cm×160 cm )
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実験室 |
気温(℃) |
相対湿度(%RH) |
備考 |
|
G1 |
15−30±1 |
70±5 |
気温任意設定・炭酸ガス制御・P1レベル封じ込め対応 |
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G2 |
15−30±1 |
70±5 |
|
|
G3 |
15−30±1 |
70±5 |
|
|
G4 |
20±1/25±1 |
70±5 |
昼夜切替型 |
|
G5 |
15±1 |
70±5 |
|
|
G6 |
20±1 |
70±5 |
|
|
G7 |
25±1 |
70±5 |
|
|
G8 |
25±1 |
70±5 |
|
|
G9 |
30±1 |
70±5 |
|
配置図

(3)人工照明グロースキャビネット実験室
環境条件(各実験室床面積 5.8 m2 /実験用架台: 50 cm×50 cm×40 cm )
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実験室 |
気温(℃) |
相対湿度(%RH) |
照明時間 |
光強度(最大) ( mmol m-2 s-1 ) |
備考 |
|
GL-1 |
20±1 |
70±5 |
8:00-20:00 |
250 |
|
|
GL-2 |
20±1 |
70±5 |
8:00-20:00 |
250 |
|
|
GL-3 |
− |
− |
− |
− |
整備中 |
|
GL-4 |
18〜30±3 |
制御なし |
オプション |
オプション |
簡易空調システム型 |
|
GM-1 |
25±1 |
70±5 |
8:00-20:00 |
250 |
|
|
GM-2 |
25±1 |
70±5 |
8:00-20:00 |
250 |
|
|
GM-3 |
18〜30±3 |
制御なし |
オプション |
オプション |
簡易空調システム型 |
|
GM-4 |
18〜30±3 |
制御なし |
オプション |
オプション |
簡易空調システム型 |
|
GH-1 |
− |
− |
− |
− |
整備中 |
|
GH-2 |
18〜30±3 |
制御なし |
オプション |
オプション |
簡易空調システム型 |
(人工照明オプション:任意の人工光源をチャンバ内に搬入する)
配置図

(4)昆虫環境調節実験室
環境条件(各実験室床面積 20.8 m2 /実験用チャンバ 130 cm×65 cm×70 cm)
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実験室 |
気温(℃) |
相対湿度(%RH) |
光強度:明暗時間は任意 (mmol m-2 s-1 ) |
|
A |
20±1 |
60±5 |
50 |
|
B |
25±1 |
60±5 |
50 |
|
C |
30±1 |
60±5 |
50 |
環境調節実験室では各室に容積 0.5 m2 のチャンバを12台設置し,個別に人工光照射を行う.
配置図

(5)動物環境調節実験室
環境条件(各実験室床面積 23 m2 /実験用架台: 170 cm×45 cm×180 cm )
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実験室 |
気温(℃) |
相対湿度(%RH) |
照明時間 |
光強度 (mmol m-2 s-1 ) |
備考 |
|
A1 |
25±1 |
60±5 |
8:00-20:00 |
60 |
|
|
A2 |
25±1 |
60±5 |
8:00-20:00 |
60 |
バイオテクノロジー用環境調節実験室に転用 |
|
A3 |
25±1 |
60±5 |
8:00-20:00 |
60 |
バイオテクノロジー用環境調節実験室に転用 |
|
B |
20±1 |
60±5 |
8:00-20:00 |
60 |
|
|
C |
20±1 |
60±5 |
8:00-20:00 |
60 |
|
|
D |
17±1 |
60±5 |
8:00-20:00 |
60 |
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転用した「バイオテクノロジー用環境調節実験室」では各室に容積 0.5 m2 のチャンバ(120 cm×65 cm×61 cm)を6台設置し,個別に人工光照射(最大光強度 100 mmol m-2 s-1 /明暗時間は任意)を行う.
配置図

A1,B,C,D,動物環境調節実験室.A2,A3,バイオテクノロジー用環境調節実験室.E,入口. TR,処理室(消毒液などの置場).OR,管理室,PR,前室.CO,廊下,MR,機械室.WR,作業室.CP,制御監視盤.GT,ジャーミサイダルトラップ.RR,ロッカー室.
(6)各実験室の画像
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植物環境調節実験室 |
特殊環境調節実験室 |
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人工照明グロースキャビネット実験室 |
昆虫環境調節実験室 |
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動物環境調節実験室 |
バイオテクノロジー用環境調節実験室 |
3)各施設の運用について
(この項目は現在作成中で,近日中にコンテンツを公開する予定です)
センターに関するお問い合わせ:![]()
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国立大学法人九州大学
生物環境利用推進センター
〒812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1
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Biotron Application Center, Kyushu University
6-10-1, Hakozaki, Higashi-ku, Fukuoka,
812-8581, Japan